色鉛筆ART-Garden

グループ展のお知らせです。
昨年6月に文房堂ギャラリー(神田)で行われた「色鉛筆画19人展2022」から心機一転タイトルと場所を変えて、今年も色鉛筆画グループ展あります。
展示・原画&プリントグッズ販売に加えてデモンストレーションの予定もあり、会場に足を運んでこその充実した内容になると思います。
ぜひ今からご予定を空けておいていただければありがたいです。
実演の日時は、決まり次第追ってお知らせいたします(日曜午後になると思います)。

「色鉛筆ART-Garden」
2023年6月28日(水)~7月3日(月)
11:00~19:00(初日12:00から/最終日17:00まで)
ミレージャギャラリー
特設webサイト https://cpag2023.jimdofree.com
※新作メインの出展予定(展示・販売)
在廊:6月28日、30日、7月2日、3日 各日終日


北海道旅行記・4

北海道旅行記・1
北海道旅行記・2
北海道旅行記・3

太陽の森・ディマシオ美術館は、新冠町の廃校になった旧・太陽小学校を改装して2010年にオープンした日本で唯一ジェラール・ディマシオの作品が常設展示されている美術館です。
ディマシオは、1938年生まれのフランス人幻想絵画作家で、過去には1988年、92~93年に、東京・大阪他各地を巡回した展覧会で、その類まれな作品が大きな注目を集めました。
私が彼の作品を知ったのは、そのずっと後(2000年以降)、当時通っていたカルチャーセンターの玉神先生から画集を見せてもらったのがきっかけで、技法・構成・世界観、全てが理解のはるか上にあって、いつか原画を見てみたいとずっと思っていました。
新冠町に美術館が出来たことは、だいぶ前から知っていましたが、北海道の奥地ということで、なかなか気軽に行ける場所ではなく、そのうちそのうちと先延ばしにしていたのを、5年前からカルチャーの講師をやるようになり、徐々に生徒数も増えて少し気持ちに余裕が出てきたのか、今年に入って「よし! 行こう」とふと思い立ったのです。

作品のサイズが大きいことは知ってはいましたが、実際に目の前にすると、一瞬で世界に引き込まれてしまいます。
おそらくはエアブラシを併用していると思われる人手を感じさせない筆致も、作品のコンセプトに合っていて、全てが世界観の表現のために極限レベルで調和しています。
一枚一枚がいくらでも見ていられるほど表現豊かで、滞在時間を計画の倍以上とれたことに本当に感謝しました。
画集でさんざん見ていた作品たちの原画を堪能した後は、いよいよ世界最大の油絵の展示された旧体育館につながる廊下を進みます。

横27m、縦9m。

それはあまりに衝撃的で、完全に絵画の範疇を超えていました。

作品は上下左右に鏡が配置され、中央付近は鏡の上に立つことができ、画面が無限に続いているかのように見える仕掛けになっています。
まさに絵の中に入ってしまったかのような感覚。
これはもはや「鑑賞」ではなく「体験」なのだと、この初めての出来事に心が震えるのを頭が理解するのに、しばし時間がかかりました。
アートにはここまでの力があるのか・・・。

絵を描くことは、世界を創造すること。

日頃から意識していることではありますが、その究極を目の前にして、あっという間に2時間半という時間が過ぎていきました。

旅もいよいよ終わりが近づいてきました。
ディマシオ美術館から14:26発のコミュニティバスに乗り、市街地に戻っていきます。
新冠町は、日本有数のサラブレッドの産地でもあり、途中の牧場にはたくさんの馬が放牧されていました。
道の駅の前のバス停で道南バスに乗り継ぎ、終点のJR鵡川駅から1両編成の電車で苫小牧へ。
この鵡川駅の乗り換えが16分しか余裕がなく、乗り損ねれば次の電車は約2時間後なので、タクシーを使ってでも室蘭本線の駅に向かわないと、帰りの飛行機に間に合わないという最後の難所でしたが、特に問題なく無事乗車(一応、タクシールートでも間に合う便を取ってはありました)。

計画通り、飛行機の出発約2時間前に空港に着いたので、ここで夕食。
やっぱり北海道といえば海の幸ですよね。
事前に調べて決めていた「きくよ食堂」で、いくら・うに・かに、の3色丼を注文。

1日目は疲労困憊でお寿司こそ食べれませんでしたが、最後に名物を味わえて、満足な締めくくりとなりました。


北海道旅行記、いかがでしたでしょうか。
計画通りに行かないのが旅の醍醐味という言葉をまさに体現したかのような、盛りだくさんの1泊2日でした。
旅、いいものですね。
機会があれば、今度はまた別の土地にも足を伸ばしてみたいと思います。


北海道旅行記・3

北海道旅行記・1
北海道旅行記・2

一晩寝て、なんとか体力も回復しました。
膝の痛みは残ったままだけど、2日目はひたすらバス移動なので、問題ないことにして、ホテルを8時にチェックアウト。
苫小牧駅でバスカードを買い、何度も乗り場を確認します。
道南バスはsuicaが使えないと知った時は、ちと面倒だなあと思ったけど、首都圏では2010年に廃止となったおまけ付きのバスカード(¥1000で¥1100分乗れるアレ)がまだ売っているとわかり、むしろ道南バス絶賛!

まずは定刻の8:55に静内行きのバスに乗車。
この日の移動は、ほぼ全てにおいて「このバスに乗れなかったら終わる」という猶予のない日程なので、一個一個の乗り継ぎに緊張感が走ります。

目的地の厚賀に予定の10:48より少し遅れて到着。
次は予約制の厚賀デマンドバス(地域住民のためのコミュニティバスのようなもの)12:45発、約2時間の足止めです。
厚賀は海のすぐそばなので、浜辺でスケッチでもして時間をつぶすつもりでしたが、天気はあいにくの小雨。
とりあえず、厚賀駅(JR日高本線の廃駅)前がバスの乗り場なので、先に様子を見ておこうと数分歩きます。
厚賀デマンドバスは、厚賀ハイヤーというタクシー会社が運行していて、厚賀駅前に事務所があることは聞いていたので、なんとなく見渡して看板を確認。駅の写真でも撮っておこうかなと思ったところで、奇跡が!
事務所脇の車庫からおじさんが声をかけてくれて、「予約の人?」と聞かれたので、名前を名乗り12:45のバスでと答えると、横に停めてあったマイクロバスを指して「乗って」と。

実は、今回旅のスケジュールを練るにあたり、この2日目の行程は絶対ミスが許されないので、念のため新冠町役場にメールで問い合わせをして、調べた時刻で間違いないか確認をしてもらいました。
それで12:45発と返事をもらってから厚賀ハイヤーさんに予約の電話を入れたのですが、そこでは11:35発だと。
「役場にも聞いたのですが」と再度確認してもらっても11:35で間違いないと言うので、それならむしろ乗り継ぎが早くなるから大助かりと喜んで予約。
一応役場の人にも知らせておこうと、時間が違っていた旨をメール送った所、「いや、厚賀ハイヤーさんが勘違いしてて12:45が正しい。その時間に駅前に行けば大丈夫。」とのこと。
「オイオイ、11:35はぬか喜びか」とがっかりしたものの、まあもともとそのつもりだった時間なので、更に念のため再度厚賀ハイヤーさんに確認。今度は12:45発とお返事をいただいたので、これで確定と思っていました。

運転手さんは、時間が二転三転してしまったので申し訳なく、すぐにバスを出してくれると。
雨の中どう時間をつぶすか名案もなく、とりあえずと立ち寄った駅前でまさかの特別待遇。
厚賀駅前からディマシオ美術館までは片道約30分。
本来なら12:45発のバスで到着が13:15。戻りのコミュニティバスが14:25発なので、約1時間しか美術館にいれないスケジュールだったのですが、待ち時間なしでバスを出してもらえたおかげで、美術館には11:30に到着。2時間半以上の滞在が約束されることとなりました。

ちなみに、苫小牧から厚賀までのバスは、10:45発12:38着というのもあり、最初の役場からのメールにはこれでも間に合うとあったのですが、間7分では、いくら次が予約制で多少の遅れは待ってくれるであろうことを考えてもギリギリすぎるので、あくまで苫小牧8:55に乗れなかった時の非常手段と考えていました。
もし、こちらのバスを使っていれば、当然厚賀ハイヤーさんのご厚意を受けることは出来なかったので、大きな分岐路だったわけです。

道中、運転手さんのお話では、コロナ前には札幌からのツアーがたまに企画されることもあったらしく、個人でデマンドバスを予約して来るのは月に5、6組くらい。ただ、遠くは熊本から来た人もいたというので、ファンの熱量の前では、アクセスの悪さなど問題ではないのでしょう。
また、札幌でレンタカーを借りれば、片道約3時間。
途中でアイヌ文化博物館を見れたり、何より時間が圧倒的に自由になるので、本当はこの方法で来るのが一番良さそうです。
ただ・・・悲しいかな、ペーパードライバーな自分には無縁な選択肢でした。

バスを降りる時、何度もお礼を述べて(料金も多めにお渡しして)、念願のディマシオ美術館についに到着。
ここが今回の旅のメインの目的地です。

(「北海道旅行記・4」へ続く)

※今回、厚賀ハイヤーさんが特別にバスを出してくれたのは、本当に様々な偶然が重なった結果のご厚意によるものなので、もしこの日記をご覧になってディマシオ美術館に向かわれる方は、絶対に無理な要求をしないよう強くお願いします。複数人で行かれるのであれば、普通にタクシーを出してもらっても、割り勘にすれば、多少の費用で十分すぎる価値ある時間を手にすることができるので、そちらもぜひご検討ください。