一晩寝て、なんとか体力も回復しました。
膝の痛みは残ったままだけど、2日目はひたすらバス移動なので、問題ないことにして、ホテルを8時にチェックアウト。
苫小牧駅でバスカードを買い、何度も乗り場を確認します。
道南バスはsuicaが使えないと知った時は、ちと面倒だなあと思ったけど、首都圏では2010年に廃止となったおまけ付きのバスカード(¥1000で¥1100分乗れるアレ)がまだ売っているとわかり、むしろ道南バス絶賛!
まずは定刻の8:55に静内行きのバスに乗車。
この日の移動は、ほぼ全てにおいて「このバスに乗れなかったら終わる」という猶予のない日程なので、一個一個の乗り継ぎに緊張感が走ります。
目的地の厚賀に予定の10:48より少し遅れて到着。
次は予約制の厚賀デマンドバス(地域住民のためのコミュニティバスのようなもの)12:45発、約2時間の足止めです。
厚賀は海のすぐそばなので、浜辺でスケッチでもして時間をつぶすつもりでしたが、天気はあいにくの小雨。
とりあえず、厚賀駅(JR日高本線の廃駅)前がバスの乗り場なので、先に様子を見ておこうと数分歩きます。
厚賀デマンドバスは、厚賀ハイヤーというタクシー会社が運行していて、厚賀駅前に事務所があることは聞いていたので、なんとなく見渡して看板を確認。駅の写真でも撮っておこうかなと思ったところで、奇跡が!
事務所脇の車庫からおじさんが声をかけてくれて、「予約の人?」と聞かれたので、名前を名乗り12:45のバスでと答えると、横に停めてあったマイクロバスを指して「乗って」と。
実は、今回旅のスケジュールを練るにあたり、この2日目の行程は絶対ミスが許されないので、念のため新冠町役場にメールで問い合わせをして、調べた時刻で間違いないか確認をしてもらいました。
それで12:45発と返事をもらってから厚賀ハイヤーさんに予約の電話を入れたのですが、そこでは11:35発だと。
「役場にも聞いたのですが」と再度確認してもらっても11:35で間違いないと言うので、それならむしろ乗り継ぎが早くなるから大助かりと喜んで予約。
一応役場の人にも知らせておこうと、時間が違っていた旨をメール送った所、「いや、厚賀ハイヤーさんが勘違いしてて12:45が正しい。その時間に駅前に行けば大丈夫。」とのこと。
「オイオイ、11:35はぬか喜びか」とがっかりしたものの、まあもともとそのつもりだった時間なので、更に念のため再度厚賀ハイヤーさんに確認。今度は12:45発とお返事をいただいたので、これで確定と思っていました。
運転手さんは、時間が二転三転してしまったので申し訳なく、すぐにバスを出してくれると。
雨の中どう時間をつぶすか名案もなく、とりあえずと立ち寄った駅前でまさかの特別待遇。
厚賀駅前からディマシオ美術館までは片道約30分。
本来なら12:45発のバスで到着が13:15。戻りのコミュニティバスが14:25発なので、約1時間しか美術館にいれないスケジュールだったのですが、待ち時間なしでバスを出してもらえたおかげで、美術館には11:30に到着。2時間半以上の滞在が約束されることとなりました。
ちなみに、苫小牧から厚賀までのバスは、10:45発12:38着というのもあり、最初の役場からのメールにはこれでも間に合うとあったのですが、間7分では、いくら次が予約制で多少の遅れは待ってくれるであろうことを考えてもギリギリすぎるので、あくまで苫小牧8:55に乗れなかった時の非常手段と考えていました。
もし、こちらのバスを使っていれば、当然厚賀ハイヤーさんのご厚意を受けることは出来なかったので、大きな分岐路だったわけです。
道中、運転手さんのお話では、コロナ前には札幌からのツアーがたまに企画されることもあったらしく、個人でデマンドバスを予約して来るのは月に5、6組くらい。ただ、遠くは熊本から来た人もいたというので、ファンの熱量の前では、アクセスの悪さなど問題ではないのでしょう。
また、札幌でレンタカーを借りれば、片道約3時間。
途中でアイヌ文化博物館を見れたり、何より時間が圧倒的に自由になるので、本当はこの方法で来るのが一番良さそうです。
ただ・・・悲しいかな、ペーパードライバーな自分には無縁な選択肢でした。
バスを降りる時、何度もお礼を述べて(料金も多めにお渡しして)、念願のディマシオ美術館についに到着。
ここが今回の旅のメインの目的地です。
(「北海道旅行記・4」へ続く)
※今回、厚賀ハイヤーさんが特別にバスを出してくれたのは、本当に様々な偶然が重なった結果のご厚意によるものなので、もしこの日記をご覧になってディマシオ美術館に向かわれる方は、絶対に無理な要求をしないよう強くお願いします。複数人で行かれるのであれば、普通にタクシーを出してもらっても、割り勘にすれば、多少の費用で十分すぎる価値ある時間を手にすることができるので、そちらもぜひご検討ください。